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史実を守るメールニュース第7号

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       ●○●○  史実を守るメールニュース  ●○●○
      南 京 へ の 道 ・ 史 実 を 守 る 会
              第 7 号
           2007年6月23日発行
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【 内 容 】史実を守る会会報より

▼「それでも『百人斬り』はなかった」弁護団 山森良一

▼夏淑琴さん裁判いよいよ「大詰め」弁護団 菅野園子

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■「百人斬り競争はなかった」という判決の評価について。■
 弁護団 山森良一
     百人斬り競争とは、南京攻略戦時に、日本軍将校2人が日本刀で中国人100人をどちらが早
 く斬れるか競った競争のことです。百人斬り訴訟とは、将校の遺族が、約70年近く前、
 百人斬り競争を戦闘行為として報道した東京日日新聞(現毎日新聞)と、約30年以上前に
 、虐殺行為ではなかったのかと報道したジャーナリストの本多勝一氏、朝日新聞、柏書房
 に対して名誉毀損・敬愛追慕の情の侵害、プライバシー侵害を理由に提起した損害賠償請
 求事件のことです。遺族らは、いかなる意味においても百人斬りは虚構であると主張しま
 した。いかなる意味とは戦闘行為として斬ることも、虐殺行為として斬ることもなかった
 というものです。本多弁護団の末席におりましたので経過を報告します。
 この裁判について、「結果は敗訴だった。それでも「百人斬り」はなかった。なぜなら判
 決理由中の判断の中で「百人斬り」の記事の内容は「信じることはできない」「はなはだ
 疑わしい」という結論がでたのだ」と遺族の代理人は評価しています(「百人斬り裁判か
 ら南京へ」(稲田朋美)文春新書)。
     しかし、果たしてそうなのでしょうか。判決文は以下の通りです。
 「南京攻略戦当時の戦闘の実態や両少尉の軍隊における任務,1本の日本刀の剛性ないし
 近代戦争における戦闘武器としての有用性等に照らしても,本件日日記事にある「百人斬
 り競争」の実体及びその殺傷数について,同記事の内容を信じることはできないのであっ
 て,同記事の「百人斬り」の戦闘戦果は甚だ疑わしいものと考えるのが合理的である。
 しかしながら,その競争の内実が本件日日記事の内容とは異なるものであったとしても,
 次の諸点に照らせば,両少尉が,南京攻略戦において軍務に服する過程で,当時としては
 ,「百人斬り競争」として新聞報道されることに違和感を持たない競争をした事実自体を
 否定することはできず,本件日日記事の「百人斬り競争」を新聞記者の創作記事であり,
 全くの虚偽であると認めることはできないというべきである」としています。そして、「
 次の諸点とは」要約すると以下の通りです。
 事件当時の写真を撮影したカメラマンが両将校から直接百人斬りの話を聞いていること、
 本件記事を書いた記者も直接目撃していないが、両将校から聞いていると一貫して主張し
 ていること、両将校自身も、その遺書等において、新聞記者に話したことを認めているこ
 と、将校が百人斬りを認めるかのような内容の手紙を送っていること。将校は一時期帰国
 の際、「百人斬り競争」を認める旨のコメントが新聞に掲載され、講演会も行っているこ
 と、将校の「百人斬り競争」の講演を聞いた小学生の記憶は、同級生の手紙と併せて虚偽
 とすることはできないこと。両将校が捕虜の奪い合いをしながら農民を斬殺した状況を述
 べている望月五三郎氏の著作等が存在すること。
 また、遺族の主張するアリバイ(向井少尉が丹陽の戦闘で負傷し,救護班に収容されて前
 線を離れ,紫金山の戦闘に参加することができなかった)については、将校の弁明書面や
 上官の証明書は,いずれも南京軍事裁判になって初めて提出されたものであり,この点に
 関して南京戦当時に作成された客観的な証拠は提出されていないこと,向井少尉が丹陽の
 戦闘で負傷し,離隊しているのであれば,向井少尉直属の部下の行軍記録に当然その旨の
 記載があるはずであるにもかかわらず,そのような記載が見当たらないこと等から否定し
 ました。
 同じく、遺族側の主張するアリバイ(紫金山の攻撃については,歩兵第三十三連隊の地域
 であり,将校らのいた冨山大隊は紫金山を攻撃していない)についても、冨山大隊は,草
 場旅団を中心とする追撃隊に加わり,先発隊として活動していたのであって,その行軍経
 路には不明なところがあるものの,第九連隊第一大隊の救援のため,少なくとも紫金山南
 麓において活動を展開していたと認められるとして否定しました。
 以上の判決文の内容からみて、「その競争の内実が本件日日記事の内容とは異なるもので
 あったとしても,〜、両少尉が,南京攻略戦において軍務に服する過程で,当時としては
  ,「百人斬り競争」として新聞報道されることに違和感を持たない競争をした事実自体を
 否定することはでき」ないと認定していることが結論であると思います。
 「百人斬り競争はなかった」という判決の評価は判決の内容を歪めるものです。一般の読
 者は判決文原文を確認することが通常ないので、その責任は重大です。

 ■いよいよ「大詰め」−夏淑琴さん裁判■
 弁護団 弁護士 菅野園子
 1 3月9日は夏淑琴さんの裁判、今回の裁判での私たちの目玉は、2月訪中の成果であ
 る夏さんたちの陳述書です。夏さんだけではなく、夏さんの身近な人である夏さんの長女
 、夏さんのお嫁さんからそれぞれお話をお聞きし、陳述書として提出しました。
 今回の訪中で夏さんから初めて聞く話もたくさんありました。夏さんは、幼い頃の家族団
 欒、姉妹と一緒に小石をける遊びをしたことなどを目を細めて私たちにはなしてくれまし
 た。夏さんは本当に幸せな家庭の中にいたことがわかりましたが、その楽しいはずの思い
 出が悲劇に繋がってしまうことにはやりきれない思いをお持ちのようでした。また、夏さ
 んは、証言する度に事件のことを鮮明に思い出すというつらさを感じつつも、それでも戦
 争の残酷さを知ってもらうこと、そして、南京大虐殺で殺されてしまった人たちに代わっ
 て事実を伝えていかなければならないという使命を抱いていること、証言活動によって、
 多くの人(日本人も含めて)が、その事実を知り、真摯に受け止めてくれることを信じて
 証言活動を行っていらっしゃることを知ることができました。個人的な感想ですが、夏さ
 んは、幼い頃に人間が信じられなくなってもおかしくない程の経験をしたわけですが、彼
 女は今でも、私たち日本人を含め、人間の良い面を信じて自分のつらい経験を歴史の教訓
 に高める努力を行っている、本当に立派なことだと感じました。このような彼女にとって
 、被告東中野が与えた精神的打撃は、彼女がいうようにまさに「傷口に
 塩を塗る」ことでした。


 2 すりかえや繰り返し、法律上の根拠に乏しい相手方の主張とそれに対する反論
 陳述書と同時に提出したのは、準備書面(3)、被告準備書面(第4)に対する反論です
 。被告準備書面(第4)の内容は、主として、南京大虐殺は中国国民党政府の戦争プロ
 パガンダで、南京事件は大きく誇張して創作されたものである、原告は、自分が南京大
 虐殺の被害者であることを名誉毀損の要件事実として主張立証責任を負う、被告東中野
 は新路口事件の核心的部分について疑問を呈するものであるが、誹謗中傷するものではな
 い、真実性の抗弁(公共に関する事実、公益目的、真実である)がある。夏さんがニセ
 被害者である理由として、1929年5月生まれの夏さんが、1937年12月(その年
 の春節は1938年1月31日、マギーの聴取時は1月25日)事件当時数え年が9歳で
 あるから、マギーフィルムの中で「7−8歳」(数え年)と説明することはありえない。
 相当性の抗弁(夏さんをニセ被害者真実であると信じるについて相当な理由がある)が
 ある。その理由として、東中野氏の書籍が刊行された平成10年当時、東中野氏の書いた
 書籍以外でフィルム解説文にいう「8歳の少女」は原告ではないと解釈されていた、とい
 うものでした。
 これに対して、私たちは、については、(夏さんの裁判とは裁判上関係ないものの、)
 被告がの根拠とする、国民党の顧問である外国人の記者(ティンパーリら)が南京大虐
 殺を広めたという憶測に対しては、日本側、中国側を含めて多様な資料をもとに、史実の
 認定が行われたこと、ティンパーリが執筆していた当時は、国民党の顧問ではなく、その
 後顧問になったことからその執筆成果には何ら影響を与えないことを指摘しました。に
 対しては、民事訴訟の法律上は、名誉毀損の基礎的な要件事実論からすれば、被告東中野
 が夏さんの名誉を毀損した以上は、被告東中野が、夏さんがニセ被害者であることを証明
 しなければなりません。法律上誤った主張です。に対しては、名誉毀損に該当するかど
 うかは、「一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば(判例での基準)、」、被告
 東中野の本は夏さんを、自分が体験していない事実について虚偽を述べている=ニセ被害
 者といっているのは誰だって分かる道理です。に対しては、本件書籍を執筆するにあた
 って被告東中野には、「7−8歳の少女」は刺殺され、後に出てくる生存被害者である8
 歳の少女とは別人と誤訳することで生じる、解説文の前後の文脈の矛盾
 、資料間の矛盾もあえて無視し、原告に直接取材を行うことすらしていない、その執筆態
 度にも公益を目的にするというにふさわしい真摯なものということはできません。従って
 公益目的がないといえます。また、夏さんは当時数え年9歳であるから、「7−8歳」(
 数え年)と説明することはない、(=原告は、フィルム解説文の「7−8歳の少女」とは
 別人物である。)という被告東中野の主張に対しても、フィルム解説文の「7−8歳の少
 女」の記載が数え年であるという根拠は全く判然としませんが、当然に数え年と決めつけ
 ており、これはとてもおかしいことです。一方、当時数え年で9歳の原告の年齢を、マギ
 ーが聞き取り「満年齢」で換算したことも考えられ、そうすると原告の年齢は「7−8歳
 」になり、夏さんが解説文の少女であることにはなんら矛盾は生じません。に対しては
 、被告東中野が根拠としてあげる書籍の中にはいずれも、原告をフィルム解説文の8歳の
 少女とは別人であると指摘したものはなく、むしろ被告が根拠としてあげた本多勝一の書
 籍には8歳の少女は夏淑琴さんのことと記載されており、そういった解釈が一般的という
 ことはありえません。以上、だいぶはしょりましたが、エッセンスはこ
 ういったものです。
 被告側は、6月20日に被告東中野の陳述書を提出、異例とも言える長い締め切りをとる
 図太さに私どもも、裁判所もあっけに取られましたが、6月29日の次回 期日、7月2
 7日 の最終準備書面の弁論期日と判決前までのスケジュールはきまりました。裁判長か
 らは「そろそろ大詰め」の言葉通り、判決にはずんずんと近づいております。今後ともご
 支援お願いします。

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最終更新日 ( 2008/06/17 火曜日 00:40:14 PDT )
 
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