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史実を守るメールニュース第6号

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  ●○●○  史実を守るメールニュース  ●○●○
 南 京 へ の 道 ・ 史 実 を 守 る 会
         第 6 号
       2007年2月24日発行
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【 内 容 】史実を守る会会報より
  ▼ 否定派の”総力戦”を粉砕 笠原十九司
  ▼ 本多勝一特別インタビュー
  ▼ 南京大虐殺記念館 朱成山館長から
  ▼ 裁判傍聴記
  ▼ 南京事件FAQって何?
  ▼ 次回裁判のお知らせ

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否定派の“総力戦”を粉砕
       —「百人斬り」訴訟勝訴の歴史的意義—
                             笠原 十九司
 
 否定派が挑んだ「敗者復活戦」
 1970年代に開始された日本におけるいわゆる「南京大虐殺論争」は、本
 多勝一さんが『中国の旅』の中で「百人斬り」競争について紹介したことに対
 して、山本七平(イザヤ・ベンダサン)が「百人斬りは虚構」と否定説を流布
 、鈴木明がこれに加わって『「南京大虐殺」のまぼろし』を書き、東京日日新
 聞の報道が向井・野田両少尉を南京軍事裁判での死刑に追いやったと批判、南
 京事件も「まぼろし」であるという否定説を展開した。これに本多勝一さんや
 洞富雄先生らが反論、「百人斬り」の実態は捕虜、敗残兵の据え物斬りであっ
 たことを証明して否定派を敗北に追いやり、ひとまず論争の決着はついていた
 。
 ところが、拙稿「南京大虐殺と教科書問題」(『季刊 戦争責任研究』第3
 6号、2002年6月)に書いたように、1997年以降、自民党政府と「新
 しい歴史教科書をつくる会」などの民間の右翼・保守勢力が、日本の中学校歴
 史教科書の日本の戦争加害の記述で唯一残った南京事件を「抹消」させるべく
 、右翼・保守系メディアを総動員して、「南京大虐殺否定説」の撒き散らしを
 行った。そうした情勢のなかで、学問的にはすでに敗北した南京大虐殺否定派
 が「敗者復活」を夢みて挑戦したのが「百人斬り」訴訟であった。

否定派の“総力戦”
 「百人斬り」訴訟に南京大虐殺否定派はもてる力を動員して“総力戦”を展
 開した。それは原告側が東京地方裁判所に提出した証拠文書が「甲第125号
 証」に達し、書類の山を築いたことに示される。これに対して勝訴した被告側
 が提出した証拠文書は「丁第25号証」と原告側の5分の1であった。それで
 原告側証拠を粉砕したのであるからまさに少数精鋭主義の典型である。原告側
 は関係部隊の旧軍人を探し当て否定のための「陳述書」を書かせ、南京大虐殺
 否定派の一連の研究者が「陳述書」を提出、遺族が入手した向井・野田両少尉
 の答弁書、申弁書、遺書などの南京軍事裁判に関する文書を提出するなどして
 、可能な限りの証人を動員し、文献・記録類を掻き集め、物量で圧倒しようと
 “総力戦”体勢で挑んだ。
  原告側が頻繁に提出した準備書面からは、否定派が「勝利できる」と思いこ
 み、意気込んでいた様子がうかがえる。北村稔立命館大学教授が原告側すなわ
 ち否定派の立場から「陳述書」(甲第90号証2004年8月5日付)を提出
 したことは、『「南京事件」の探求』(文春新書)を出版、『諸君!』に否定
 説を掲載するなどして「文春ライター」に取り込まれた研究者のなりの果てと
 いう感がある。

勝訴の歴史的意義
 「百人斬り」訴訟は、2006(平成18)年12月22日の最高裁の判決
 によって、原告の敗訴、つまり本多勝一さんらの勝訴が確定した。その歴史的
 意義は、1970年代から続けられた「百人斬り」論争ならびに南京大虐殺論
 争に司法による決着がつけられたことである。そして「歴史事実に立つ者が必
 ず勝利する」という普遍的真理を証明したことである。さらに今回の訴訟に関
 連して被告側が発掘、収集した資料はもちろん原告側が提出した資料も含めて
 、「百人斬り」の実態をほぼ解明できる資料が集まったことである。
 “総力戦”で挑んで敗れた否定派が受けたショックがいかに大きかったかは
 、夏淑琴名誉毀損裁判には被告側弁護人は二人だけ、被告の東中野修道本人も
 逃げて出廷しないという、否定派の窮状からも知ることができよう。

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ジャーナリズムは劣化している
 本多勝一特別インタビュー

——まずは最高裁での勝利確定、おめでとうございます。
 
  地裁や高裁と、判決が出るたびに何度も同じことを繰り返すことになってし
 まいますが、今回の最高裁の判決も、まったく当然の判断と言うしかありませ
 んね。そもそもこうした裁判が起こされる自体、非常にバカバカしいことです。
 ひとつだけ意味があったとすれば、この裁判を通じて多くの新しい史料が発
 掘され、「百人斬り」競争という歴史的事実が、いっそう明確になったことで
 しょう。この点では、むしろ相手側に感謝したいですね(笑)。

——本多さんへの右翼の攻撃は、特に日中戦争に関するルポを出された頃から
     今に至るまでずっと続いているかと思いますが、裁判という形で行われたの
 は初めてではありませんか。

  そう言われればそうかもしれんね。文春相手の裁判などはこちらからやって
 きましたし、裁判という形以外の嫌がらせは今までも多くありますが。最近も
 無言電話がかかってきています。しかし、提訴された当初から、それで戸惑う
 とか対応に悩むということは全然なく、ただひたすらバカバカしい、それだけ
 でしたね(笑)。
  裁判の全体を通じて、あらためて日本のジャーナリズムの劣化ぶりが目立
 ちました。朝日新聞も、自分たちが訴えられ、記者を動員して新たな資料を
 発掘しているにもかかわらず、それを紙面ではまったく報道しようとしない。
 勝利判決が出たことだけは小さく報道しても、南京事件そのものの報道は、
 もうほとんどできない状況です。いったい、記者たち自身がこれでいいと思っ
 ているのか、記者たちを取材してルポでも書こうと思っていますよ。

——ジャーナリズムは脳死状態でしたが、多くの市民が本多さんの応援のため
          に駆けつけましたね。

 裁判をリードしてくれた弁護団の方々や、支援者の方々には、心よりお礼申
 し上げます。ますますおかしい方向へ向かっている祖国・日本ですが、こうし
 た人たちが多く存在することに希望を感じます。
                           聞き手・熊谷伸一郎

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 歴史の事実を抹殺することはできない
 私たちは厳しく抗議します!

 現在、この議連結成を阻止するため、史実を守る会では、様々な取り組みを
 考えています。
  そこで、まずは、当の中国南京市にある南京大虐殺記念館(侵華日軍南京大
 屠殺遇難同胞記念館)の朱成山館長から、議員連盟の不当性についてコメント
 を発していただきました。
                    (原文は中国語・熊谷伸一郎・訳)
 

  聞くところによると、侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館が展示している「
 百人斬り」の写真に対して、日本の右翼が声を大きくしてインターネット上で
 の署名運動を始め、しかもそこには一部の政治家も参加しているとのことです。

 

       私たちは、これに対して厳しく抗議します!歴史の事実を抹殺することはで

 きず、捏造と正義を改ざんすることはできません。

 「百人斬り」は、南京大虐殺のなかで日本侵攻軍が犯した悪名高い暴行事件
    のひとつです。戦後、中国の南京軍事法廷は「百人斬り」について、法で定め
   た厳粛性と有効性、そして正当性をもった判決を下しています。この法廷の下
   した判決と歴史認定を含めて、日本政府は1951年9月8日、サンフランシスコ講
   和条約第11条でこれを承認しています。
     すでに承知のとおり、戦時中、日本軍が行った法規制は非常にものものしく
   、新聞に対する検査は厳格に行われていました。そのなかで「百人斬り」報道
  は4回にわたって連続的に報道されています。これを新聞記者が捏造して報道
  したということはできないでしょう。まさにこれを原因として、日本の東京地
  方裁判所、東京高等裁判所、および最高裁判所での審理のなかで、原告が殺人
  競争にかかわる向井や野田の「冤罪」を主張したにもかかわらず、それが支持
 されなかったのです。
   中国人民は、あの侵略戦争の被害者です。これはもっとも基本的な歴史的事
  実です。戦犯の家族が、その父親らの罪行を悔悟し、謝罪するならば、その実
  際行動によって中国の民衆の諒解を得ることもできるでしょうが、しかし原告
  らの行いは、まったくそうした方向とは反対方向であり、自分たちが「被害者
   」として中国の民衆に難をつけ、歴史に挑戦し、中国の民衆の感情を継続的に
  踏みにじっているのです。これを耐え忍べるでしょうか。誰が耐え忍べるとい
 うのでしょうか!南京大虐殺の一部分としての「百人斬り」という史実は、永
  遠に侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館の中に陳列されていくでしょう。殺人
  競争という残虐行為は、人類文明における恥辱という柱に、永遠に打ち付けら
  れるでしょう。

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夏さん裁判の傍聴記

 私は去年の6月と12月に裁判を傍聴しに、また裁判開始前のビラ配りによる
 支援のために霞ヶ関まで行ったのだが、開廷前に裁判所前で見たのは、なんと
 右翼による演説だった。このような内容の裁判に右翼はつきものなのかもしれ
 ないが、裁判自体あまり見に来たことがなかった私にとっては、かなり衝撃を
 受けることになった。差別的な発言、ニセ証言者呼ばわり、さらにはこちらへ
 の中傷。「彼らは全員アルバイトです!」違うっての。
  ともあれ、その後の傍聴券でも当たりを引き(傍聴者が多いので抽選を行い
 ます)、6月の裁判では夏淑琴さん本人の証言を聞くことができた。しかし傍
 聴席で聞いていて、ふと気付いた。
「結局私も、夏さんをこの場に来させてしまっているんだ。」
  証言を聞くまでもなく、南京事件の存在は当然のものとなっていなければな
 らなかったのではないか。証言をすることはそれ自体に苦痛がともなうのだか
 ら、できれば証言をする必要もない状態、周知のものとなっているべきではな
 かったか。とは言ってみても、無理をしてでも証言をしなければならない状態
 に彼女を立たせてしまっているのは、私たちに責任があるだろう。
  そのために何ができるだろうと考えたとき、この現状を人に伝えなければな
 らないと思って、今ここでも書かせてもらっています。
 今年、2007年は日中戦争から70年、南京事件からも70年の年です。「何をいま
 さら」とも思われるでしょうが、これは「未だに」続いている、続けてしまっ
 ている問題であると思っています。裁判もまだ続いています。もうすでに多く
 の方が来てくれていて、抽選を通らないと傍聴することができない状態ですが
 、開廷前にビラ配りなどもしておりますので、どうぞよろしくお願いします。
                             (学生 Wine)

右翼の妨害行為&裁判レポート

 午前11時半。待ち合わせギリギリに地下鉄の出口を出ると、東京地裁前に
 はすでに学生30名を含む約40名が集まっている。裁判支援のアピールを行
 うためだ。ハンドマイクによる宣伝とチラシ配りがほどなくして始まった。
  すると、反対側の道路で横断幕が掲げられた。「シナ人のシナ人による/シ
 ナ人のための歴史偽造/史上最大の大嘘・南京大虐殺」(ママ)。右翼だ。間
 近で見たのは初めてだったが、かれらは聞くに堪えない南京虐殺否定論と中国
 人差別発言を繰り返した。
  当初無視していた私たちだが、あまりに酷い差別発言だったので友人と3人
 で抗議を申し入れに行った。すると西村修平という右翼が、なんと友人の右く
 るぶしを思い切り蹴りあげた。こちらの抗議はたちまち警察にさえぎられ、西
 村氏は平気で挑発する発言を繰り返す。こんなことが許されていいのだろうか
 ? 本当に腹が立ち、あきれた。
  だがチラシを受け取る反応は上々で、「どう考えても、あんたらの方が正し
 い」と言ってくれた人もいた。アピール自体は成功したといえる。
  その後裁判と弁護士会館での報告集会があった。弁護士の話によると、今回
 の裁判は原告側があいまい極まりない被告側の主張の意味を被告側に問い正し
 ていたのだが、今回も被告側からはっきりとした返事がなかったとのことだ(
 昨年12月1日付けの書面で被告側が突如、いままで主張で触れてこなかった論
 点について詳細に述べてきたのだが、これが「事情」にあたるか「抗弁」にあ
 たるのかはっきりしない)。
  裁判所はこの点について「抗弁」とは関係ないと考えているという。これは
 裁判所が既にこの裁判の判決を下せると考えていることを示すものだという。
  それにしても戦後補償の話を聞くたび、なぜ戦後60年たった今なお日本政府
 が公式謝罪や賠償はおろか公式調査すら実現しないでいるのか、ということを
 考えてしまう。その日配ったチラシにかかれた「これは、日本人から受けた二
 度目の被害です」という夏氏の言葉。この意味を、改めて思う。 (梁英聖)

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南京事件FAQってなに??

 南京事件FAQはネット上で増殖する南京事件否定派の代表的否定論に対して
 効果的に反撃するために作られたFAQ集です。昨年秋に計画され、11月5日
 に公開しました。Queso、トロープ、ゆう、ピッポ、青狐、マカク、ja2047、
 それにタラリが執筆者として登録していますが、ja2047さんは公開直後、惜し
 くもお亡くなりになられました。
  現在20の大項目、ページ数150からなり、現在も項目の更新、増補を続け
 ています。
  執筆はテーマに沿って書き下ろし、誤りの訂正、わかりやすい表現、新たな
 視点、資料の追加などを含めて執筆者たちが任意に修正してよりよい記事を作
 っていく、wikipedia方式です。
  現在、グーグル順位は南京事件で14位、南京大虐殺で19位です。1日1
 600件ほどのアクセスがあり、鷹嘴さん、青狐、Apeman、2チャンネル、チ
 ャンネル桜掲示板、good2ndさん、ゆうさん、ピッポさん、msqさん、その他
 グーグル、ヤフーなどの検索サイトを経由して来られる人が多いようです。こ
 れから更に重要なサイトとなって行くでしょう。現在は受身的に反論の形で書
 いていますが、これからは積極的にこういう事実があったということを提示し
 て説得していく項目を設けて行きたい。そのためにもこれからは資料の充実が
 重要となると思われます。コメント欄は予想通り、幼稚なウヨクの書き込みが
 あるが、執筆陣以外の方で自発的にウヨクに対抗した書き込みをするひとも増
 えているのが心強い。
  保護依頼で機能不全に陥ったwikipediaに代わり、南京事件に関する百科事
 典的な役割を担うまでに育てて行きたいと思います。そのために、新たに執筆
 者に加わる方も歓迎します。          執筆者を代表して、タラリ
http://wiki.livedoor.jp/nankingfaq/d/FrontPage

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次回裁判のお知らせ

 最後に事務局より次回夏淑琴さん名誉毀損裁判のお知らせです。
 第5回口頭弁論 3月9日
 東京地方裁判所 第709号法廷 14:00開始
 傍聴券は抽選の予定です。
 30分前までに並んでください。
 裁判が終了次第報告集会を開きます。
 場所:弁護士会館10F 1006AB
 約1時間です。
 こちらもどうぞご参加ください。

最終更新日 ( 2008/06/17 火曜日 00:12:05 PDT )
 
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